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珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(4)索敵か攻撃か

.05 2019 ★珊瑚海決戦カードゲーム comment(0) trackback(0)
珊瑚海決戦カードゲーム 紹介

 空母戦を検証する際に話題になることが多いものの一つに索敵本数の日米の違いがあります。日本軍は攻撃力を温存しようとして索敵を軽視していたとよく言われますが、その見立ては正しいのでしょうか?
 温存してはいけなかった? いやそもそも温存じゃなかった? 歴史は難しいですね。

 9Joeには史実が実際にはどうだったかわかりません。しかし、その状況を『珊瑚海決戦』で再現してみたいと思ったので、艦載機を攻撃・爆撃に使用するか索敵機として使用するかの選択を取り入れることにしました。日本軍は雷撃機を攻撃だけでなく索敵に使用することができ、アメリカ軍は爆撃機をやはり攻撃だけでなく索敵に使用できます。
 カードは使い捨てなので、どちらに使用するかで悩むかもしれません。特に日本軍空母は雷撃機の搭載数が少ないですからね。

 ちなみに索敵に使用された艦載機の数は、おおよそ以下のような感じでした。

5月7日
日本軍 97艦攻 12機(早朝) 4機(昼)
米軍  SBD 10機

5月8日
日本軍 97艦攻 7機
米軍  SBD 18機

 資料によっても差はあるのですが、おおよそ二日間合わせて日本軍は中隊2.5個、米軍は3個相当使ったことになりますね。先に書いたように、カード1枚は1個中隊相当としてデザインしているので、ゲーム的に言えば敵を見つけるために、カードを3枚使ったということになります。
 ゲームでは、運が良ければ一発で見つけることもありますし、5度6度索敵を繰り返すことになるかもしれません。そこは歴史のifということになりますね。

 ちなみに日本軍は索敵に使える艦載機がアメリカ軍より少ない代わりに、地理的なメリットととして陸上機や水上機などの協力が得やすいようになっています。「味方からの報告はまだか!」なんて、じりじりするかもしれませんよ。

(つづく)

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珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(1)発想の原点
珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(2)索敵の要素
珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(3)ゲームのスケール

珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(3)ゲームのスケール

.01 2019 ★珊瑚海決戦カードゲーム comment(0) trackback(0)
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 ゲームをデザインするに当たっては、もちろん様々な要素を取り入れたり、参考にしたりするわけですが、その中で9Joeがとくにこだわるものの一つにスケールがあります。
 ゲームでスケールといえば、例えばマップの縮尺や、コマの表す(兵員数や車両数などの)規模や、ターンの長さなどがあります。スケールはゲーム性と直接関係しませんが、遊んでいてスケールのはっきりしているゲームはいろいろな意味でイメージが湧きやすく、データとしても興味深いですから、自分が作るときにももちろんそこは抑えるべきポイントになるわけです(ほら、そこ、また縛りか、って言わない!)。

 『珊瑚海決戦カードゲーム』を作るにあたって、カードの持つリソース的価値は何か、という事を考えたときに最初に思い当たったのは、デッキを航空母艦とみなしたときの艦載機でした。カード=艦載機という考えが浮かべば、カードの枚数を機数に合わせるのは必然というものですよね!
 というわけで、ゲームに収録している艦載機のカードの枚数は、作戦参加機体数を中隊単位(9機)で割って決めました。

 しかし普通に航空機数を9で割ってカード数を出すだけではダメでした。一つの山札で遊ぶゲームなので、1人のプレイヤーはおおよそ、その半分しか引けないからです(汗)。
 そこでデッキには倍の枚数を入れて、期待値的には搭載機数分のカードが回ってくるようにしました。確率通りに引けるわけではないので、戦闘機を多めに引いたり、爆撃機が僅かしか回ってこなかったりというようなことも起こりますが、そこはゲーム・・・・おっとと、そこは着艦した航空機の再稼働分や整備不良などの不確定要素が反映されているものと考えています。

 これにより日本軍は、戦闘機、爆撃機、雷撃機のカードがおおよそバランスよく含まれているのに対して、アメリカ軍はドーントレス爆撃機がとても多いといった違いがあります。
 そうした違いも楽しんでいただけたらと思っています。

(つづく)

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珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(1)発想の原点
珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(2)索敵の要素

珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(2)索敵の要素

.29 2019 ★珊瑚海決戦カードゲーム comment(0) trackback(0)
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 ゲームをデザインする場合、それはもう可能性への挑戦としてはどのようなものもアリですが、逆に「こだわり」っていう縛りもアリですよね?

 9Joeはカードゲームに関しては、準備が簡単で比較的すぐにゲームを始められるものを作りたいという思いがあります。
 例えば『ドミニオン』。誰もが認める傑作で、9Joeも身内も大好きなゲームですが、これ準備が面倒くさいですよね? いや、もちろん自分が遊ぶには、カードの整理や後片付けもしっかりやっておけばさして面倒と思うことはないんですが、これ自分のゲームデザインで採用するかって言うと「こんな面倒なのありえない」ってなるんです。

 二人用の対戦型カードゲームを設計する場合、それぞれのプレイヤーに専用・・・・このゲームのテーマですと日本軍と米軍・・・・のデッキを用意することが、一番仕組みとしてシンプルです。もちろんバランスも取りやすい。インスパイアされた『Lightning MIdway』がそうでしたし、後に羽田氏がデザインしたレキシモンゲームズの『MIDWAY』でも立証されました。
 しかし、これ9Joeの「面倒くさいの嫌い」が発動した結果、一個で出来ないのかっていうのが最初から課題としてありました。

 山札を一個にするといろいろ制約が生じます。日本軍用、米軍用のカードをただ混ぜただけだと外れを引く可能性があります。1枚のカードにそれぞれの軍のルールを印刷するセパレートにしたとても同様の問題は生じます。「ああもう、デメリットだらけ!」
 しかし、逆に一個にしたことでしか得られるメリットもあるんじゃないかと考えに考えました。

 そこで閃いたのが、このゲームで採用している「索敵」のルールです。相手の持っている海域カードを予想して当てる。しかもそれは山札に1枚しかないがゆえ、自分が見ていないカードになるという推理的要素です。
 もちろんそこには空母戦ならではの「天候不順による索敵失敗」や「艦種誤認」などの要素も実装しました。また判定部分では、国産ボードゲームの大傑作『日本機動部隊』から宣言の仕組みを参考にし、取り入れさせてもらいました。

 9Joe的にはこれが「索敵の要素を盛り込んだ」カードゲームが誕生した瞬間でした。
 まぁ・・・・その後、いろいろバランスを取ったりするのに数年もを費やすことになったわけなのですが(笑)。

 空母対空母の対決ですから、敵を発見するだけではなく、その後の戦いまでが勝負です。しかし、まずはこのゲームで索敵の部分を楽しんでもらいたいですね。

(つづく)

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珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(1)発想の原点

珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(1)発想の原点

.27 2019 ★珊瑚海決戦カードゲーム comment(0) trackback(0)
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 まだ印刷が仕上がっていませんが、ゲームマーケット2019大阪発売予定の『珊瑚海決戦カードゲーム』のデザイナーズノートを何回かに分けてお送りします。
 ゲームの見どころだけでなく、9Joeのゲームの作り方や考え方などもお伝えできたらと思ってます。

珊瑚海決戦カードゲーム:デザイナーズノート(1)発想の原点

 『珊瑚海決戦カードゲーム』を構想し始めたのはいつだったかなと思って、試作品フォルダをあさってみたら最初期のバージョン『日本機動部隊カードゲーム』が出てきました。制作は2015年6月で、流石にサンプル作成用のデータなどは残っておらずルールテキストのみでしたが、改めて見直すとそこにコンセプトが書いてありました。

目標
出発点は日本版ライトニング「ミッドウェイ」。
ミッドウェイにはない、索敵の要素を盛り込んだ、汎用的な空母戦カードゲームを作る。

 目標に書かれている「ライトニング」とは、アメリカのディシジョンゲームズ社が出したウォーゲームのシリーズです。カード枚数は100枚ぐらい。日本版はありませんが、和訳付きで過去に販売されたりしていて、シリーズのいくつかを遊びました。最初が2004年発売のミッドウェイ海戦で次がノルマンディ上陸作戦、その次が北アフリカ、さらにポーランド電撃戦もありましたが、最初の『ミッドウェイ』が一番面白かった印象があります。
 遊んだのは10年以上前で現物も手元にないので細かいことがかけませんが、ザックリ説明すると・・・・・

●マップや駒がなく使用するのはカードのみ
●日本軍用とアメリカ軍用のデッキに分かれていてプレイする
●互いに攻撃目標が4つ明示されていてこれを撃破すれば勝利(空母や基地)
●手番では部隊カードを出すか、出している部隊で攻撃するか、カードを補充するかのどれかを選択
●互いにリーダー、戦術、イベントで部隊を強化できる
●部隊以外のカードは基本後出しされたカードの効果が優先


といった感じ。
 空母対空母の戦いにおける様々な要素やエピソードを個々のルールで解決せず、全てカードプレイに落とし込むことでシンプルに再現。しかしそれ以上に、敵部隊の居場所を探す「索敵」のプロセスを思い切って省略し、互いに発見された後の戦いに絞るという切り取り方に感動を覚えました。ミニゲームスキーの9Joeにとっては、ある意味究極のウォーゲーム!
 しかしだからこそ、野心を持ったのです。ライトニング「ミッドウェイ」のように簡単で、しかし「索敵」の要素を持つカードゲームは作れないか・・・と。

 そうして最初に作ったバージョンは、様々な海戦を再現しようという欲がくらんだ結果、面白さのわりに手間ばかりかかるゲームになり、あえなくボツ。しかしその目標は捨てきれず、珊瑚海海戦専用のゲームとして作ろうと方針を変更したのが2016年。この年の3月にこのブログでも初めて写真を投稿しました。そのときのルールには、コンセプトを次のように書いています。

二人用(カードゲーム)
デザインの目標
●索敵による相手の所在の探りあいの実装
●相手状況(CAPが上がっているか? 攻撃態勢は整っているかなど)がわからない
●誤認、索敵のミスが生じる
●短時間でプレイ出来る
●準備が簡単
●サイコロを必要としない


 それから3年近くはかかりましたが、おおよそこれらの目標を達成できるゲームがしあがりました。もちろん途中、いろいろと悩みもしましたが、妥協せずに完成できたということは幸運としか思えません。

 ああ、ただひとつ。大きな変更がありました。
 それは、タイトルの変更です。

 もともとはこのゲーム。『珊瑚海海戦カードゲーム』という名前にするつもりでした。ところが、知人も珊瑚海海戦のゲームを作っているらしいことがわかり、またネットでも同名の同人ゲームが過去に存在していることがわかったのです。それでも押し切るかどうか・・・としばらくの間は悩んでいました。
 ただ、ゲームの調整をしているとき、自分が目指しているのは「珊瑚海海戦の再現」ではなく、「広くイメージされる当時の航空母艦同士の戦い」だと気づき、ならば「珊瑚海海戦」でなくてもいいじゃないかと思うようになりました。そこでタイトルを『珊瑚海決戦カードゲーム』と変えたのでした。

 そういう意味で、歴史はモチーフにしているけれども、シミュレーション・ウォーゲームではなく、『バトルライン』や『SANGOKU』のような一般向け歴史ゲームと、本人は位置づけておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 
(つづく)

ゲームマーケット2019大阪出店(今更告知?)

.25 2019 未分類 comment(0) trackback(0)
ネットでは今、ゲームマーケット2019春の出店当選報告が飛び交っていますが、よくよく考えると9Joeのサークル「英雄開発事業団」のゲームマーケット大阪の出店告知が、このブログではまだだったことを思い出しました。

そんなわけで今更ながらですが、ゲームマーケット2019大阪のカタログに掲載するサークルカットをアップします!

ゲームマーケット2019大阪 英雄開発事業団 サークルカット

新商品は『珊瑚海決戦カードゲーム』!
それから去年発売した『ねこあつめカードゲーム ひだまり編』も販売します。

ジャンルとしてどこに配置されるのかは全く想像がつきません。
『珊瑚海決戦カードゲーム』は、「バトルライン」や「SANGOKU」と同じ一般向けカードゲームと考えているので、まさかウォーゲームのジャンルの中に置かれるなんてことはないと思いますが、そんなことになったらゲームマーケットの新作リストに入れてもらえないんじゃないかと心配です(笑)。

心配といえば、印刷のほう。なんとか印刷所にデータを送るところまではいったのですが、なれないものでいろいろミスもありまして。間に合うのかどうか、本当に心配です。

更に気がかりといえばホームページ。思った以上に手を入れたいところがたくさんあって、なかなか更新がはかどりません。当面はこのブログで『珊瑚海決戦カードゲーム』のデザイナーズノートもどきを載せていけたらいいかなと思うので、興味のある方はぜひチェックお願いいたします。
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